雑記

化学系営業職が解説 次亜塩素酸の清浄機について

キバシリオーナー
え?空気中に次亜塩素酸の散布?そんなのしても意味ないし、意味あったら人体に有害じゃん?

メールを見ていたらとあるメーカーの空気清浄機が目に入りました。

◆物品の消毒に最適な次亜塩素酸濃度、最大35ppm
ウイルスウォッシャーで生成される次亜塩素酸(電解型)の有効塩素濃度は物品の消毒に最適な濃度(35ppm)を満たしています。

う~ん、なんか不思議。。。これってどうなの?

そのような疑問に切り込んで行きたいと思います。

この記事を読むと
次亜塩素酸とはなにか?どのように作られるか?散布の危険性に対する見解
が理解できます。

目次 – Contents –

  1. 次亜塩素酸とはなにか? ”組成式:HClO”
  2. 次亜塩素酸の製造方法  ”食塩水を電気分解”
  3. 散布による危険性は?

本文 – the blog body –

  1. 次亜塩素酸とは?組成式:HClO (H:水素、Cl:塩素、O:酸素)次亜塩素酸は不安定な構造であり、水溶液中では徐々に分解されています。2HClO → 2HCl + O2

    HCl:塩酸
    塩酸ができるので分解されると酸性は強くなります。
    これは次亜塩素酸の時よりも電離度が低くなるからです。(塩酸の方が強い酸と考えればOKです)
  2. 次亜塩素酸の製造方法次亜塩素酸は次亜塩素酸水として製造されます。製造方法は2通り1.食塩水の電気分解。この際に
    +極にでるのが酸性   (次亜塩素酸)
    ー極にでるのがアルカリ性(アルカリ電解水)

    2.混合法

    次亜塩素酸NaとHClを混合して
      塩(NaCl)と次亜塩素酸水を製造
    この方法は洗剤の裏に書いてある”混ぜるな危険!” に該当します。次亜塩素酸は塩状態では効果が弱いです。その代わりに安定性はよくなります。次亜塩素酸は効果は良いけど安定性がない。だから市販品は次亜塩素酸塩の方が都合がいいのです。

    問題として次亜塩素酸はpH5~7程度の弱酸~中性に調整しないと塩素ガスが大量発生してしまう点です。
    そのため、家庭での調整が難しいので混ぜないでほしいとしています。

  3. 散布による危険性は?過去にニュースでも次亜塩素酸水や二酸化塩素、次亜塩素酸Na(ハイターの成分)の有用性について疑問視がされてました。令和2年6月に経済産業省から発表された資料”ファクトシート”によると下記各国の見解が示されてます。(1)WHOの見解
    「COVID-19 について、噴霧や燻蒸による環境表面への消毒剤の日常的な使用は推奨されない」
    とする。さらに、「消毒剤を人体に噴霧することは、いかなる状況であっても推奨されない。
    これは、肉体的にも精神的にも有害である可能性があり、感染者の飛沫や接触によるウイルス感染力を低下させることにはならない」としている。(2)米国疾病予防管理センター(CDC)の見解
    医療現場の消毒に係る一般論として
    「消毒剤噴霧は、空気や表面の除染のためには不十分な方法であり」、「一般感染管理には推奨されない」としている。(3)中国国家衛生健康委員会の見解
    新型コロナウイルス対策に係る消毒薬ガイドラインにおいて、「人がいる状態で空間・空気に対して消毒を行うべきではない」としている。引用:経済産業省
     新型コロナウイルス対策における「次亜塩素酸水」の空間噴霧について(ファクトシート)

まとめ

・次亜塩素酸の散布は有用性はあるかもしれないが、危険性を伴う。
ウィルス感染を意識するのであれば喚起を意識するのと
飛沫感染防止(マスクをつける等)をするのが良い

・次亜塩素酸の消毒効果は高いが、自作しようとしてはいけない
理由:pH調整に失敗すると塩素ガスが発生して死の危険がある

・アメリカ、中国、WHOの消毒液散布の見解は人体への危険性があるのでやらない方がいい

地道に喚起をするのと定期的な消毒が一番だと思います。

おすすめ
アルコールであれば余計な成分が少ないパストリーゼ

次亜塩素酸は安定性が悪く、長期的に使えないので成分が次亜塩素酸ナトリウム(ハイター)
次亜塩素酸ナトリウムも徐々に分解はされるので長期使用は有効成分が減ってしまいます。
そのため、ボトルは小さいほうが良いです。

 

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